駄文シリーズ その3 [駄文シリーズ1]
はい、ついに第3話です・・・
どこまで続くのこれ?
あ、今回はミズキ以外にもキャラクターが出てきます。
ただ、本人様前回はもらった許可を改めてもらっていないので、問題があれば某所にて報告ください。
以下テンプレート
この作品は、オンラインゲームであるMFLの二次創作、魔砲少女まじかる☆りぷるん(クリックで原作?へ)の二次創作となっております
なので、そちらから見ることをお勧めしますし、MFLを知らないならば読んでも面白く無いと思います・・・;
そして、筆者はそんなに小説を書くのが上手なわけではないので、その言葉の通り駄文となっていると思います・・・
それでもいいよっ!って方だけ、本文(?)にお進みください
以下本文
遠くから大きな波がやって来る……。
大きすぎて黒い壁のようだ。
壁はどんどん迫ってくる。
私はカトレアを抱きしめた。
もう駄目かもしれない、そう思って。
誰かが私を引っ張る。
そして、小さな洞穴の中へと入れられた。
「柳、ミズキを頼むぞ。」
え?どういうこと?
「……!**も一緒にっ!」
あれ?このシディララマの人、名前……何だっけ……?
「入り口を塞がなきゃ。外からじゃないと出来ないだろ?ここなら水はけもいいはずだから安心して。」
そう言って、名前の思い出せない青年が近くにあった岩を動かし始める。
「ヤダ!そんなのヤダよ!」
私は青年の所へ行く。
青年は困った顔をして、
「ダメだよ。こうでもしなきゃ生き残れない……。生き残ったらまた会おうな。」
「だって……それじゃ、**が……!」
「俺は大丈夫だから。ほら、これ貸してやるよ。ちゃんと返せよ。」
そう言って耳につけている青色のピアスを片一方外して差し出す。
受け取らずに居ると私のポーチへ押し込まれた。
「ほら、中に。」
波はもうすぐそこまで来ている。
「仕方ない……柳、ネックカット。加減はしろよ。」
ガスッ
後ろから首に衝撃。
そして意識が遠のいていく。
「柳、内側から氷で水が入らないようにしろよ。」
洞穴に放り込まれると、青年は急いで岩を動かして入り口を塞ぐ。
「さよなら、ミズキ。」
完全にふさがる直前、朦朧とした意識の中聞こえた言葉はそれだった。
放浪少女ミズキ
OP 『お宝どーこー?』
第三話 『忘れてた真実』
(ん……。さっきのは……夢?えっと、何があったんでしたっけ?ゴーレムに歯が立たなくて、気絶しちゃって……。あれ?私どうなったんですか……?)
意識が戻ってきた。
だが、まだはっきりしない。
「にしても、煌石の光をイダルモンスターに当てる人がいるなんてね……。」
「ケケケ。全くだな。煌石の光は生命力を上げる……。無知ほど怖いものは無いぜ。」
誰かが話す声が聴こえる。
女性の声と男性の声だ。
(誰だろ……。)
少しふらつくがゆっくりと起き上がる。
体のあちこちが痛むが無理もないだろう。
目を開けるとそこはまだ遺跡の中だった。
脇道の途中だろうか?
周りを見る。
カトレアが心配そうにこっちを見ていた。柳も座った状態でこっちを見ている。
心配させてしまったようだ……。
「ごめんね、大丈夫だよ。」
そう言って2体を抱きしめる。
「気づいたみたいね。」
声がかけられる。先ほど聞いた女性の声だ。
声のした方を向くと、そこには同じヴァシアタ出身に見える綺麗な女の人が立っていた。
服装は青いフリフリのついた服に黒いリボンといった感じだ。
(ヴァシアタにいた頃に見たアニメの魔法少女さんみたいな服装……。)
ミズキは服装にそんな感想を持った。
「あ、はい。助けてくれたんですか……?」
「ええ、感謝しなさいよ。あのままだったら潰れてたから。」
「ありがとです。」
「あと、そこの2匹にも。」
カトレアと柳の方を見ながら言う。
「あの子たちが居なきゃ、多分間に合わなかったから。」
どうやら、柳が引きずったりして頑張ってくれてたらしい。
(どうりで所々擦り剥いてるんですね……痛い……。)
「にしてもこむぎ、いつの間にライガーなんて育て始めたの?ピクディナ一筋だったのに。」
ライガーを育ててる、ということはミズキに質問しているんだろう。
だが、ミズキはこの女の人を知らないしこむぎなんてあだ名で呼ばれたことはない。
「えっと……こむぎさんって誰ですか?人違いじゃ……?」
「え!こむぎじゃないの……?」
なんだかすごく驚いている。
そんなにそのこむぎという人とミズキはそっくりなのだろうか。
「違いますよ。」
「そう……あまりにそっくりだったから。」
(そんなに似てるなら、ちょっと会ってみたいですね……。)
「名前を教えてもらってもいいかしら?」
女の人が優しい、素敵な笑顔で聞く。
その笑顔を見ているとなんだか安心する。
「ミズキです。あなたは?」
「そう、ミズキね。私の名前は」
「ケケケ。仮面が剥がれてるぜ、お姉さま。」
男の人の声が言葉を遮って響く。
目覚めたときに聞こえた声と同じだ。
声のした方を見るが、そこにはフクロウしか居ない。
「うるさいわね、コノハ。別に少しくらいいいじゃない。それにこの子は演技する必要無いでしょ?」
「甘いな、そんなんじゃ大切なときにボロがでるぜ。」
女の人がそのフクロウに向かって話しかける。
そしてフクロウが返事をする。
どうやらこのフクロウが話しているようだ。
「ミズキだっけか。コイツの名前はお姉さまで大丈夫だぜ。そして俺はコノハ。お姉さまの使い魔だ。」
フクロウが喋る。
このフクロウはコノハで、女の人はお姉さまと呼べばいいらしい。
「お姉さまって、あだ名かなにかですか?」
「そんな感じね。本名は……。」
そういって指で空中に名前を書く。
「読みは特に無いわ。好きに読んで。」
「えっと……すみません、これに書いてもらっていいですか?」
なんて書いたか分からなかったようだ。
ミズキはポーチから紙と書くものを取り出し渡す。
水月華は紙を受け取ると、自分の名前を書きミズキに渡した。
「みず…つき…………?」
漢字が読めないらしく、頭の上に疑問符を浮かべている。
「じゃぁ、水さんでいいですか?」
読むのを諦めたらしい。
読める漢字で適当なあだ名を付けたようだ。
そのへんでコノハが笑っていたがお姉さまによって蹴り飛ばされた。
「好きに呼んでもらえばいいわ。」
それを快く受け入れる水月華は優しいようだ。
「所でミズキはなんでこんな所に居たんだ?」
蹴り飛ばされたあと、飛んで戻ってきたコノハが話しかけてくる。
そしてさりげなくミズキの肩にとまった。
「私はトレジャーハンターで、この遺跡にトレジャーハンティングに来たんです。でも、大したお宝も無い上にひどい目に会いました……。」
「ケケケ。そりゃ災難だったな。にしてもなんでこの遺跡なんだ?ユタトラの奴らが行く遺跡とは違うだろ?」
「ユタトラの奴ら……?」
知らない言葉に首を傾げる。
言い方的にはそういう人がたくさん居るようだが……。
「お前は違うのか?なら都合がいいな……。」
しかしコノハは疑問に答えてはくれなかった。
「ミズキ、お前に仕事を頼みたい。」
「しごと……ですか……?」
コノハが急にそんなことを言い出した。
水月華も予想外のことに驚いたような表情だ。
「トレジャーハンターもスポンサーが付いたりしてやったりするものだろ。だから仕事の依頼も問題ないはずだぜ。」
確かに、トレジャハンターも元手がなければ動けない為、スポンサーを付けたり他の仕事をしたりして元手を作ることがあるらしい。
ただ、ミズキの場合はブリーダーとしての遠征のついでに、というやり方ばかりだったためスポンサーをつけたりなどをしたことはない。
そのため仕事の依頼をされることは初めてだった。
「報酬次第なら受けさせてもらいます。でも、お金なんていりませんよ?持ってても使えない……。」
お金は人との交流があるところでしか価値がない。
ミズキの様な人にとっては、お金など何の価値もないのだ。
「ケケケ、そりゃそうだな。じゃぁ何がほしい?」
ミズキは少し考える。
仕事の報酬で何をもらうか。
「熱いお湯の出るシャワー、おいしいご飯にふかふかのお布団。それがあれば私は幸せです。」
出た答えは普通に生活してる人にとっては当たり前の事。
しかし、ミズキにとってはそれが何よりも欲しかった。
「欲がねえな。だがそんなもんでいいなら大丈夫だ。」
そして、コノハはその報酬の条件を受け入れたようだ。
「やって欲しいのは簡単に言っちゃえば盗みだ。」
「はぁ……盗み……って、盗みですか!?」
そしてとんでもないことを言った。
「何を驚く。トレジャーハンターだって、持ち主がはるか昔に居なくなってるだけで盗みと変わらないだろ。」
「それは……確かに……。」
今は所有者の居ない遺跡でも、お墓だったり宝物庫だったりと持ち主が居なくなってるだけで持ち主は居たのだ。
盗みとトレジャーハンティングは、持ち主が今生きているかどうか意外変わらないのかもしれない。
「ここから少し遠い所に人が住む島があってな、正面の港から入って道を真っ直ぐ進むと見える大きな建物の倉庫にイダルがある。それを盗み出してほしい。」
「すみません、海図か……せめて方角を教えてくれないと迷います。」
海の上では、360度どこを見渡しても目印になるものが無いなんて普通のことだ。
せめて方角だけでも分からないと目的の場所にたどり着けるなんてありえない。
「西のほうだっけな……。まあ気合で頑張れ。」
無責任なことを言うものだ。
「報酬は後払いだ。成功するとは限らないしな。」
ミズキの信頼が無いのか、それともこの依頼はそれだけ難しいのか……。
おそらく両方なのだろう。
後払いにあまりいい記憶は無いが、ミズキはしぶしぶ受け入れる。
「それと、連れてくモンスターはそのライガー一匹にしといたほうがいいと思うぜ。盗みに入るんだ、戦闘にもなる。それも1対1とは限らない。ディナシーじゃ分が悪いだろうからな。」
確かに、1対多数の戦闘になったらディナシーは丈夫ではないため不利だ。
「……わかりました。必ず報酬を出してくださいよ?」
一応念を押す。
湿らしたタオルで体を拭いて……なんていう生活とは早くおさらばしたい。
ミズキは今、何よりもそう願っていた。
「ケケケ。わかってるぜ、でもそれは依頼を成功させた後だな。」
「わかってますよ。」
契約は成立した。
「契約が成立した所で、お前にこれを渡す。」
コノハの前でピンク色の光が生まれ、それが形を変えて長細い杖のようになる。
そして光が薄れて行き、落下する。
ミズキが慌ててそれをキャッチするとそれは先端に炎の形の赤い水晶のような飾りの付いた細長い杖だった。
見たことはないが、どうやら支持具のようだ。
「指示具……ですか……?それなら持ってますよ。」
背中にはいつも背負っている神官の杖の感触があった。
手を回し、それを取った所で違和感に気づく
「ケケケ。そんな折れた支持具でどうやって指示するんだ?」
愛用の杖は、中ほどでボッキリと折れていた。
これでは支持具としては使えない。
「その杖を使いな。それにそれは普通の指示具じゃない。依頼をこなすときに役に立つぜ。」
そう言われても、普通の指示具との違いがわからない。
「使い方は感覚で何となくでわかるはずだ。そういうもんだ。」
ずいぶんと適当な説明だが、モンスターにどうやって意思を伝えるかなんていうのも感覚的なものだった。
おそらくそういうものなんだろう。
言葉では説明しにくいことなんていくらでもある。
「じゃあ、ありがたく使わせてもらいます……。」
ずっと愛用していた支持具とさよならするのは少し寂しいが、指示具がないことにはどうしようもない。
コノハの用意してくれた指示具をありがたく使わせてもらうことにする。
「ところで……いつまで私の肩に載ってるんですか?」
「飛び続けてると疲れるんだ。細かいことは気にするな。」
ミズキは無言で肩に乗っているフクロウを払い落とした。
コノハ達とミズキはその後少し話して別れた。
別れ際にお姉さまはミズキに海図を手書きで写したものを渡した。
まだ持ち主がいる所へ盗みに入るのは初めてのことだ。
しかし、ミズキはいつもどおりのトレジャーハントだと思うことにして、島の海岸に止めてあった自分の帆船に乗り込んだ。
「さて……行きますか。」
単身でトレジャーハンターとして活動するなら、船くらい操れないとやってけない。
ミズキの船を操る腕はそれなりだ。
海図とコンパスを見ながら船を動かし始める。
帆を広げ、風を見て調節する。
風がいい。これならあまり苦労せずに着くだろう。
ミズキは今までに小規模だが人の集まっているところを見たことがある
今回はどんなところなんだろうか。そんなことを思いつつ船を進めていく……。
「コノハ、あなたずいぶん優しのね。」
「ケケケ。なんの話だ。」
こちらは未だに遺跡の中。
コノハは先ほどと違い、手が羽ではあるが小人のような姿になっていた。
「だってわざわざ依頼なんて形であの子……ミズキをユタトラに行かせるなんて。」
コノハはいつもどおりの独特の声で笑う。
「ケケケ。ユタトラを知らないなら盗みに入ってもらうのにも都合がいい。知らない所に盗りに行くわけだからな。月の光も入らないような所に保管されてちゃ困るんだよ。それに、あくまで俺はドM、いじめる側では無いのさ。」
「へ~……あなたの事、やっぱりよく分からないわ。」
薄暗い中に、コノハの笑い声が響いた。
ED 『遠征失敗☆ミ』
ミズキ:はい復活ですっ!私の出番っ!!
コノハ:ケケケ。残念だったな、今回の次回予告は俺様だぜ!
ミズキ:そんなの聞いてませんよ!!
コノハ:ついに俺様の時代だな。
コノハ:俺様の依頼でユタトラの長老たちの倉庫に盗みに入るミズキ。
コノハ:トレジャーハンターの風上にも置けねえな。ケケケ。
ミズキ:うっ、うるさいです……。
コノハ:そこに颯爽と現れる魔砲少女。
コノハ:そして見事コテンパンにやられて、はいおしましい。この物語は終了だぜ。
ミズキ:そんな……
コノハ:次回からは俺様が主役の『どえむ使い魔★コノハ』だ。
コノハ:というわけで次回、第一話『どえむの喜びとは』
コノハ:見ろよな!。
ミズキ:そんなの絶対に認めませんっ!
コノハ:うるせーな、決まったことなんだよ。
お姉さま:ちなみにここの次回予告は大嘘よ。
一同(スタッフ含む):え!ウソ!?
どこまで続くのこれ?
あ、今回はミズキ以外にもキャラクターが出てきます。
ただ、本人様前回はもらった許可を改めてもらっていないので、問題があれば某所にて報告ください。
以下テンプレート
この作品は、オンラインゲームであるMFLの二次創作、魔砲少女まじかる☆りぷるん(クリックで原作?へ)の二次創作となっております
なので、そちらから見ることをお勧めしますし、MFLを知らないならば読んでも面白く無いと思います・・・;
そして、筆者はそんなに小説を書くのが上手なわけではないので、その言葉の通り駄文となっていると思います・・・
それでもいいよっ!って方だけ、本文(?)にお進みください
以下本文
遠くから大きな波がやって来る……。
大きすぎて黒い壁のようだ。
壁はどんどん迫ってくる。
私はカトレアを抱きしめた。
もう駄目かもしれない、そう思って。
誰かが私を引っ張る。
そして、小さな洞穴の中へと入れられた。
「柳、ミズキを頼むぞ。」
え?どういうこと?
「……!**も一緒にっ!」
あれ?このシディララマの人、名前……何だっけ……?
「入り口を塞がなきゃ。外からじゃないと出来ないだろ?ここなら水はけもいいはずだから安心して。」
そう言って、名前の思い出せない青年が近くにあった岩を動かし始める。
「ヤダ!そんなのヤダよ!」
私は青年の所へ行く。
青年は困った顔をして、
「ダメだよ。こうでもしなきゃ生き残れない……。生き残ったらまた会おうな。」
「だって……それじゃ、**が……!」
「俺は大丈夫だから。ほら、これ貸してやるよ。ちゃんと返せよ。」
そう言って耳につけている青色のピアスを片一方外して差し出す。
受け取らずに居ると私のポーチへ押し込まれた。
「ほら、中に。」
波はもうすぐそこまで来ている。
「仕方ない……柳、ネックカット。加減はしろよ。」
ガスッ
後ろから首に衝撃。
そして意識が遠のいていく。
「柳、内側から氷で水が入らないようにしろよ。」
洞穴に放り込まれると、青年は急いで岩を動かして入り口を塞ぐ。
「さよなら、ミズキ。」
完全にふさがる直前、朦朧とした意識の中聞こえた言葉はそれだった。
放浪少女ミズキ
OP 『お宝どーこー?』
第三話 『忘れてた真実』
(ん……。さっきのは……夢?えっと、何があったんでしたっけ?ゴーレムに歯が立たなくて、気絶しちゃって……。あれ?私どうなったんですか……?)
意識が戻ってきた。
だが、まだはっきりしない。
「にしても、煌石の光をイダルモンスターに当てる人がいるなんてね……。」
「ケケケ。全くだな。煌石の光は生命力を上げる……。無知ほど怖いものは無いぜ。」
誰かが話す声が聴こえる。
女性の声と男性の声だ。
(誰だろ……。)
少しふらつくがゆっくりと起き上がる。
体のあちこちが痛むが無理もないだろう。
目を開けるとそこはまだ遺跡の中だった。
脇道の途中だろうか?
周りを見る。
カトレアが心配そうにこっちを見ていた。柳も座った状態でこっちを見ている。
心配させてしまったようだ……。
「ごめんね、大丈夫だよ。」
そう言って2体を抱きしめる。
「気づいたみたいね。」
声がかけられる。先ほど聞いた女性の声だ。
声のした方を向くと、そこには同じヴァシアタ出身に見える綺麗な女の人が立っていた。
服装は青いフリフリのついた服に黒いリボンといった感じだ。
(ヴァシアタにいた頃に見たアニメの魔法少女さんみたいな服装……。)
ミズキは服装にそんな感想を持った。
「あ、はい。助けてくれたんですか……?」
「ええ、感謝しなさいよ。あのままだったら潰れてたから。」
「ありがとです。」
「あと、そこの2匹にも。」
カトレアと柳の方を見ながら言う。
「あの子たちが居なきゃ、多分間に合わなかったから。」
どうやら、柳が引きずったりして頑張ってくれてたらしい。
(どうりで所々擦り剥いてるんですね……痛い……。)
「にしてもこむぎ、いつの間にライガーなんて育て始めたの?ピクディナ一筋だったのに。」
ライガーを育ててる、ということはミズキに質問しているんだろう。
だが、ミズキはこの女の人を知らないしこむぎなんてあだ名で呼ばれたことはない。
「えっと……こむぎさんって誰ですか?人違いじゃ……?」
「え!こむぎじゃないの……?」
なんだかすごく驚いている。
そんなにそのこむぎという人とミズキはそっくりなのだろうか。
「違いますよ。」
「そう……あまりにそっくりだったから。」
(そんなに似てるなら、ちょっと会ってみたいですね……。)
「名前を教えてもらってもいいかしら?」
女の人が優しい、素敵な笑顔で聞く。
その笑顔を見ているとなんだか安心する。
「ミズキです。あなたは?」
「そう、ミズキね。私の名前は」
「ケケケ。仮面が剥がれてるぜ、お姉さま。」
男の人の声が言葉を遮って響く。
目覚めたときに聞こえた声と同じだ。
声のした方を見るが、そこにはフクロウしか居ない。
「うるさいわね、コノハ。別に少しくらいいいじゃない。それにこの子は演技する必要無いでしょ?」
「甘いな、そんなんじゃ大切なときにボロがでるぜ。」
女の人がそのフクロウに向かって話しかける。
そしてフクロウが返事をする。
どうやらこのフクロウが話しているようだ。
「ミズキだっけか。コイツの名前はお姉さまで大丈夫だぜ。そして俺はコノハ。お姉さまの使い魔だ。」
フクロウが喋る。
このフクロウはコノハで、女の人はお姉さまと呼べばいいらしい。
「お姉さまって、あだ名かなにかですか?」
「そんな感じね。本名は……。」
そういって指で空中に名前を書く。
「読みは特に無いわ。好きに読んで。」
「えっと……すみません、これに書いてもらっていいですか?」
なんて書いたか分からなかったようだ。
ミズキはポーチから紙と書くものを取り出し渡す。
水月華は紙を受け取ると、自分の名前を書きミズキに渡した。
「みず…つき…………?」
漢字が読めないらしく、頭の上に疑問符を浮かべている。
「じゃぁ、水さんでいいですか?」
読むのを諦めたらしい。
読める漢字で適当なあだ名を付けたようだ。
そのへんでコノハが笑っていたがお姉さまによって蹴り飛ばされた。
「好きに呼んでもらえばいいわ。」
それを快く受け入れる水月華は優しいようだ。
「所でミズキはなんでこんな所に居たんだ?」
蹴り飛ばされたあと、飛んで戻ってきたコノハが話しかけてくる。
そしてさりげなくミズキの肩にとまった。
「私はトレジャーハンターで、この遺跡にトレジャーハンティングに来たんです。でも、大したお宝も無い上にひどい目に会いました……。」
「ケケケ。そりゃ災難だったな。にしてもなんでこの遺跡なんだ?ユタトラの奴らが行く遺跡とは違うだろ?」
「ユタトラの奴ら……?」
知らない言葉に首を傾げる。
言い方的にはそういう人がたくさん居るようだが……。
「お前は違うのか?なら都合がいいな……。」
しかしコノハは疑問に答えてはくれなかった。
「ミズキ、お前に仕事を頼みたい。」
「しごと……ですか……?」
コノハが急にそんなことを言い出した。
水月華も予想外のことに驚いたような表情だ。
「トレジャーハンターもスポンサーが付いたりしてやったりするものだろ。だから仕事の依頼も問題ないはずだぜ。」
確かに、トレジャハンターも元手がなければ動けない為、スポンサーを付けたり他の仕事をしたりして元手を作ることがあるらしい。
ただ、ミズキの場合はブリーダーとしての遠征のついでに、というやり方ばかりだったためスポンサーをつけたりなどをしたことはない。
そのため仕事の依頼をされることは初めてだった。
「報酬次第なら受けさせてもらいます。でも、お金なんていりませんよ?持ってても使えない……。」
お金は人との交流があるところでしか価値がない。
ミズキの様な人にとっては、お金など何の価値もないのだ。
「ケケケ、そりゃそうだな。じゃぁ何がほしい?」
ミズキは少し考える。
仕事の報酬で何をもらうか。
「熱いお湯の出るシャワー、おいしいご飯にふかふかのお布団。それがあれば私は幸せです。」
出た答えは普通に生活してる人にとっては当たり前の事。
しかし、ミズキにとってはそれが何よりも欲しかった。
「欲がねえな。だがそんなもんでいいなら大丈夫だ。」
そして、コノハはその報酬の条件を受け入れたようだ。
「やって欲しいのは簡単に言っちゃえば盗みだ。」
「はぁ……盗み……って、盗みですか!?」
そしてとんでもないことを言った。
「何を驚く。トレジャーハンターだって、持ち主がはるか昔に居なくなってるだけで盗みと変わらないだろ。」
「それは……確かに……。」
今は所有者の居ない遺跡でも、お墓だったり宝物庫だったりと持ち主が居なくなってるだけで持ち主は居たのだ。
盗みとトレジャーハンティングは、持ち主が今生きているかどうか意外変わらないのかもしれない。
「ここから少し遠い所に人が住む島があってな、正面の港から入って道を真っ直ぐ進むと見える大きな建物の倉庫にイダルがある。それを盗み出してほしい。」
「すみません、海図か……せめて方角を教えてくれないと迷います。」
海の上では、360度どこを見渡しても目印になるものが無いなんて普通のことだ。
せめて方角だけでも分からないと目的の場所にたどり着けるなんてありえない。
「西のほうだっけな……。まあ気合で頑張れ。」
無責任なことを言うものだ。
「報酬は後払いだ。成功するとは限らないしな。」
ミズキの信頼が無いのか、それともこの依頼はそれだけ難しいのか……。
おそらく両方なのだろう。
後払いにあまりいい記憶は無いが、ミズキはしぶしぶ受け入れる。
「それと、連れてくモンスターはそのライガー一匹にしといたほうがいいと思うぜ。盗みに入るんだ、戦闘にもなる。それも1対1とは限らない。ディナシーじゃ分が悪いだろうからな。」
確かに、1対多数の戦闘になったらディナシーは丈夫ではないため不利だ。
「……わかりました。必ず報酬を出してくださいよ?」
一応念を押す。
湿らしたタオルで体を拭いて……なんていう生活とは早くおさらばしたい。
ミズキは今、何よりもそう願っていた。
「ケケケ。わかってるぜ、でもそれは依頼を成功させた後だな。」
「わかってますよ。」
契約は成立した。
「契約が成立した所で、お前にこれを渡す。」
コノハの前でピンク色の光が生まれ、それが形を変えて長細い杖のようになる。
そして光が薄れて行き、落下する。
ミズキが慌ててそれをキャッチするとそれは先端に炎の形の赤い水晶のような飾りの付いた細長い杖だった。
見たことはないが、どうやら支持具のようだ。
「指示具……ですか……?それなら持ってますよ。」
背中にはいつも背負っている神官の杖の感触があった。
手を回し、それを取った所で違和感に気づく
「ケケケ。そんな折れた支持具でどうやって指示するんだ?」
愛用の杖は、中ほどでボッキリと折れていた。
これでは支持具としては使えない。
「その杖を使いな。それにそれは普通の指示具じゃない。依頼をこなすときに役に立つぜ。」
そう言われても、普通の指示具との違いがわからない。
「使い方は感覚で何となくでわかるはずだ。そういうもんだ。」
ずいぶんと適当な説明だが、モンスターにどうやって意思を伝えるかなんていうのも感覚的なものだった。
おそらくそういうものなんだろう。
言葉では説明しにくいことなんていくらでもある。
「じゃあ、ありがたく使わせてもらいます……。」
ずっと愛用していた支持具とさよならするのは少し寂しいが、指示具がないことにはどうしようもない。
コノハの用意してくれた指示具をありがたく使わせてもらうことにする。
「ところで……いつまで私の肩に載ってるんですか?」
「飛び続けてると疲れるんだ。細かいことは気にするな。」
ミズキは無言で肩に乗っているフクロウを払い落とした。
コノハ達とミズキはその後少し話して別れた。
別れ際にお姉さまはミズキに海図を手書きで写したものを渡した。
まだ持ち主がいる所へ盗みに入るのは初めてのことだ。
しかし、ミズキはいつもどおりのトレジャーハントだと思うことにして、島の海岸に止めてあった自分の帆船に乗り込んだ。
「さて……行きますか。」
単身でトレジャーハンターとして活動するなら、船くらい操れないとやってけない。
ミズキの船を操る腕はそれなりだ。
海図とコンパスを見ながら船を動かし始める。
帆を広げ、風を見て調節する。
風がいい。これならあまり苦労せずに着くだろう。
ミズキは今までに小規模だが人の集まっているところを見たことがある
今回はどんなところなんだろうか。そんなことを思いつつ船を進めていく……。
「コノハ、あなたずいぶん優しのね。」
「ケケケ。なんの話だ。」
こちらは未だに遺跡の中。
コノハは先ほどと違い、手が羽ではあるが小人のような姿になっていた。
「だってわざわざ依頼なんて形であの子……ミズキをユタトラに行かせるなんて。」
コノハはいつもどおりの独特の声で笑う。
「ケケケ。ユタトラを知らないなら盗みに入ってもらうのにも都合がいい。知らない所に盗りに行くわけだからな。月の光も入らないような所に保管されてちゃ困るんだよ。それに、あくまで俺はドM、いじめる側では無いのさ。」
「へ~……あなたの事、やっぱりよく分からないわ。」
薄暗い中に、コノハの笑い声が響いた。
ED 『遠征失敗☆ミ』
ミズキ:はい復活ですっ!私の出番っ!!
コノハ:ケケケ。残念だったな、今回の次回予告は俺様だぜ!
ミズキ:そんなの聞いてませんよ!!
コノハ:ついに俺様の時代だな。
コノハ:俺様の依頼でユタトラの長老たちの倉庫に盗みに入るミズキ。
コノハ:トレジャーハンターの風上にも置けねえな。ケケケ。
ミズキ:うっ、うるさいです……。
コノハ:そこに颯爽と現れる魔砲少女。
コノハ:そして見事コテンパンにやられて、はいおしましい。この物語は終了だぜ。
ミズキ:そんな……
コノハ:次回からは俺様が主役の『どえむ使い魔★コノハ』だ。
コノハ:というわけで次回、第一話『どえむの喜びとは』
コノハ:見ろよな!。
ミズキ:そんなの絶対に認めませんっ!
コノハ:うるせーな、決まったことなんだよ。
お姉さま:ちなみにここの次回予告は大嘘よ。
一同(スタッフ含む):え!ウソ!?
2011-09-07 00:14
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